コナブロっ!

名探偵コナンの考察用メモのブログです

赤鬼村 火祭殺人事件(FILE.10〜FILE.12)

キック力増強シューズが初お目見え!

前回の蝶ネクタイ型変声機に続き、コナンの助けとなる「武器」の登場です。コミカルさが含まれているとはいえ、ダイヤル「中」で、いきなり学校の木をなぎ倒しちゃうとはね(笑)こういった部分は、徐々にリアルな強さ表現まで補正されていますが、劇場版のアクションシーンで活躍する時はそれくらい強いのは相変わらず。

連載当初、今ほどの長期連載になるとは思っていない様子だったそうです。そのため、今振り返ると、テンポよく進んでいく感じがわかります。

この博士の発明品も、その一つの要因かと。「見た目は子ども、頭脳は大人」の名セリフ通り、なんだかんだで小学一年生という子どもになった新一は、普通に活躍をすることが出来ません。そのための「武器」を紹介し、それを活かして事件解決を図る、という流れ。そう思って振り返ると、初期の事件解決へのアプローチは、道具の活用場面と合わせていかないといけないので、なかなか練られていて大変だろうな〜と思ってしまいますね。

 

FILE.10 割のいい尾行

コナン、帝丹小学校に転入!いや〜、この話を読んでいた当時は自分も小学生でしたが、今や30歳の私。古くからのコナンファンの方は、同様な方が多いかと思いますが。この年齢になって、同じようなことで小学校に転入するのは。。。恥ずかしいな、ほんと(笑)改めて読み直すと、なんだかソワソワする恥ずかしさだ。

今後のレギュラーメンバーの少年探偵団はまだ出て来ません。小学校の子どもたちはモブキャラな描写ですね。先生も名前も無いし。

さて、冒頭に書いたキック力増強シューズの見せ場を挟み、小五郎の尾行していた男が焼死体で発見されるというショッキングなニュースでこの回は終わり。

 

FILE.11 完璧なアリバイ

前回に引き続き、小五郎を中心に事件の概要が語られます。写真をキーワードにして、犯人がどうやってアリバイを作ったのか、というのを探すのが本筋。

こう見てみると、今回の事件は犯人が先にわかる「倒叙型」で表現されていて、毎回ストーリー展開が違うんですね。ミステリーものの公式にはめながら、コナンの物語の核を絡ませて進めるっていう構成なんだな〜。子どもの頃には、読んでいて、そこまで気づかなかった。やはり短期間でもしっかり完結させるために、色々な要素を練り込み盛り込みしてますね。

 

FILE.12 写真は語る

事件解決編。

見どころは、コナンが一人で解決するところでしょう。キック力増強シューズのおかげで、犯人を"やっつける"ことが選択肢に出て来たわけですね。最後に車の陰から、目暮警部たちを見ているコナンの嬉しそうな顔が印象的です。子どもになって困っていた中で、ついに力を手にいれた!という感じでしょう。

 

さて、案外面白いなと思うのは、今回の事件中に小五郎がコナンの存在を不思議に思い始める場面がちょこちょこと挟まること。

FILE.10では「親の顔が見てみたい」というところから、どことなく見覚えのある面影に気づきます。

そしてFILE.11で、ヒントをくれるコナンの存在に明らかな疑問を覚えています。何者だ、と。

最後のFILE.12では、事件を解決した後の「ガキにやられた!」という犯人の供述から、あそこにいたガキって言ったら(コナンしかいないが)。と。蘭も「まさかねえ」と言っています。

ここまで毎回、定期的に挟んでくるのも面白いですね。結構、早い段階で何かがバレるような想定を立てていたのでしょうか。ただ、蘭の場合と違って、小五郎の観点からだと「コナン=新一」という疑問を持っているわけじゃ無いんですよね。これはただの探偵の勘ってやつか。

アイドル密室殺人事件(FILE.6〜FILE.9)

沖野ヨーコが初登場!

今後の準レギュラーの沖野ヨーコが初登場しましたね。こう読み返すと、ホント初期から出ていたんだな〜と驚きました。沖野ヨーコはさすがに黒の組織とは関係なさそうですんで、あまり深く考察には影響しませんが。

今回のエピソードは"蝶ネクタイ型変声機×眠りの小五郎"の原型が見られます。まだ麻酔銃で眠らせたわけじゃないので、気絶の小五郎ですが(笑)

 

FILE.6 迷探偵を名探偵に

まだまだ名探偵には程遠い毛利小五郎を名探偵にし、黒ずくめの組織の情報を集められるようにしようと、励ます阿笠博士。そして、そのために「蝶ネクタイ型変声機」がお目見え!

トーカー(とも言わないのですね、原作当時は)被害にあっている沖野ヨーコが、毛利探偵事務所に調査依頼をしにくるわけですが。

隠し撮り写真とか無言電話なら想像つきますが、家具の位置が変わってるって結構ショッキングですよね。怖いな〜、それは。

そして、この回は最後のページでまさかの刺殺体。最初のジェットコースター殺人事件では首が無くなってるし、このころは、死体の描写が生々しいな〜。最近の描写の方が、それほど怖く無いと言うか。

 

FILE.7 血ぬられたアイドル

小五郎は、蘭に警察を呼ぶように言うのですけど携帯電話が一般的じゃ無い時代なのですね。蘭ちゃん、どこかへ走っていきます。公衆電話とか?

この記事を書きながら、ちょっと古めの映画も見返してるんですけど、割と公衆電話が出てくるんですよね。時代を感じる。

さて、事件の方は池沢ゆう子と言う容疑者候補が一人増え、マネージャーの山岸は奇妙な行動をし、現場の状況的には沖野ヨーコが犯人の可能性が高まる、と言うコナン始まって、初めてのミステリー的展開で次回に続きます。

 

さて、目暮警部と小五郎は作品上はここで初めて一緒に出てきます。ここでの描写はあまりいい感じじゃ無いんですよね〜。今後の「眠りの小五郎」としての大活躍が、まだまだ先のこととは言え、ここだけだと刑事としてあまりに役不足な感じ。小五郎のせいで、事件が迷宮入りするって、結構ダメな人ですよね(笑)

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刑事を辞めた理由などは、劇場版第2弾の「14番目の標的」で明かされます。けど刑事としてダメだった感じじゃ無いからな〜。

さらに、FILE.6では阿笠博士は「あれでも昔は敏腕刑事だったんじゃから」と表現されているんですよね。

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これは設定ミスなのか、ちょっと気になるところ。阿笠博士が知っている敏腕刑事時代が描かれるのだろうか?

 

 

FILE.8 あなたに似た人

この回では、池沢ゆう子も登場して事件の真相に一気に近づいていきます。真相は次回に持ち越しなのですが、この回のタイトルである「あなたに似た人」について少し。

事件の鍵となる部分で、沖野ヨーコと池沢ゆう子の後ろ姿がそっくりだと言うのが描写されます。これは事件の解決につながるヒントとして提示されるんですけども。

直後の蘭のこのシーンと重なります。

事件を解決しようと子どもなりに頑張るコナンと、同じように事件現場で立ち振る舞う工藤新一の姿を重ねている思い。

コナンは劇中の事件に合わせたタイトルが複数の意味を持つことが多い気がします。この初期にも、そう取れるタイトル付けをしているんですね。こういう側面があるから、コナンというのは読んでいて楽しいんですよねー。どこか文学的な感じ。

 

 

FILE.9 不幸な誤解

解決編。そして初!眠りの小五郎!

残念ながら時計型麻酔銃がないために、小五郎は灰皿をぶつけられて気絶。普通に考えたら、これが殺人事件になりかねない勢いでぶつかりましたがね。

無事に事件を解決できた小五郎(コナン)は、目暮警部からも蘭からも「見直した」と言われて、徐々に名探偵へ昇格する第一歩を踏み出しました!

 

さて、殺人事件の真相については、まさかの自殺。連載初期、まだ一巻ですが意表をつかれた展開でした。しかし、椅子の上から背中から飛び降りて包丁の上に、ってのも結構アクロバットな方法ですよね〜一回でうまく行かなそう。

そして動機の部分が悲しい。目暮警部は「嘘と誤解と偶然が重なり合って起きた悲劇」としてましたけど、沖野ヨーコの立場だと辛すぎるでしょー流石に。この悲しい部分を受けて、エピローグにつながるのですけども。

 

そして前回に引き続き、この回もタイトルの意味については複数の意味をもたせていますね。一つは当然のことながら事件の動機になった部分。そして、もう一つは新一と蘭の状況を表現してます。

蘭は当然、新一の失踪に関する真相を知らないですから。「新一の身に、何かあったんじゃないのか」という心配をします。まあ、実際に"何かあった"わけですが、ただ蘭の心境は「新一は死んでしまったんじゃないか」という心配をしますよね。あれ以来、音沙汰がないのであれば。普通に考えたら大騒ぎレベルですもの。その新一が姿を変えて目の前にいるという構図は、まさしく不幸な誤解。

そして逆も然り。FILE.6で、新一がいないことに心配をしている蘭が、毛利探偵事務所ではそんな姿を見せていないことが描かれています。悲しみを隠して一生懸命演じている蘭の姿を見て、コナンは誤解していると言うことです。

ここでは、アイドルとして気丈に振る舞う沖野ヨーコがいることで、面白い描写になっていますよね。

アイドルの沖野ヨーコにはできるけど(普通の女子高生の)私にはできないよ、という蘭の気持ち。そして、赤の他人である沖野ヨーコの様子はすぐに見抜いたコナンも、一番近くにいる蘭のことは見抜けなかった気持ち。

最後の電話をかけるシーンは、今となってはちょいちょい出てきますが、こうに見返すと、なんとも大きな出来事ですね。

 

劇場版リスト一覧

劇場版の作品リスト

リンク先は、作品ごとの感想・考察です。

 

第1段 時計じかけの摩天楼

 

 

劇場版 第1弾『時計じかけの摩天楼』

記念すべき劇場版第1作!完成度の高い傑作

 

 

1997年に公開された、劇場版コナンの第1作目です。以降、毎年の恒例となっている劇場版も、時代によって大きく違うところもありますが、個人的には初期の作品が好き。特に、この第1作目は完成度が高い傑作と思ってます。

 

爆弾魔と戦うダイナミックさ

今作では、殺人事件が起こりません。冒頭のオープニングでは起こるのですが、名探偵コナン劇場版ではお馴染みとなった「説明ムービー」への導入編。

なので、本編の方では"殺人事件を解く"という推理モノの構築がなし。全編を通して"爆弾魔と戦う"というパニックアクション的なものになってます。

これが良い。映画的というか、ダイナミックさがGOOD。

いや、名探偵コナンと言えば"殺人事件を解く"推理モノという構築はあって然るべきなのだが、これは上手くやらないとダイナミックさが欠けてしまうんですね。

これは、コナンの劇場版を作る上では、常に大きなテーマだと思うんだけど。おとなしすぎると"テレビスペシャルっぽい"感じになるし、いきすぎると"フィクションっぽい"感じになるし。バランスが難しい。

そして、後半の劇場版は【ダイナミックさ=激しすぎるアクション】となってしまいがち。そういう部分もエンタメとしては面白いんですがね。

 

テンポの良い展開と見せ場の転換

前半は登場人物の設定や説明的なシーンが続く。そして後半の

(1)最初の爆弾(小)が二つ。

(2)「東都環状線に爆弾」というテロ。

(3)最後に大きな爆弾を控えたクライマックス。

という流れが、緊張感を途切らせることなく、良いテンポで進むのが素晴らしい。

 

最初の爆弾(小)は、コナンが中心になって解決するんですが、街中を駆けずり回り、危機一髪なところをギリギリで解決していく。パニックアクションのようなテンポを導入して、ハラハラ感を高めていく。ここはテレビスペシャル感を残して、盛り上がりがいい感じ。

 

そして解決して一休み〜となりそうなところで、東都環状線に複数の爆弾を仕掛ける、というテロレベルへ。ここから映画感が高まり、ストーリー上の最初のピークへ。

グッと場面が広がり、緊迫感が増すんだけども、それと同時にコナンも怪我をしてしまい前線から抜けて、警察や小五郎が介入する形に。そうすることでテロ対策レベルでも無理がない展開になるし、推理をするコナン達と、実務レベルで対処する鉄道会社の人々という役割分散がされる。

 

最近の映画にある「コナンくんのやりすぎなアクション」という変なピークではなく、場面設定が大きく変化を迎える演出が、わかりやすくて面白い。

 

で、無事に解決!終わった!

かと思ったところに「盗まれた爆薬の3/4はまだ見つかっていない」というところで、最後のクライマックスへの引きと不安を煽り、いい感じに最終局面へと進む。

 

そして最後は、クライマックスへ。

謎解き(犯人特定)という、推理モノのクライマックスを経て、劇場版のクライマックスを飾る最後の大舞台へ。

"大きな命の危機場面から脱出する"という終盤の展開は、劇場版のラストとしては定番化しているんですが、今作はそこもちょっと違います。蘭がソーイングセットのハサミで爆弾のコードを切るという小さなアクションの結果、結果的に舞台は崩壊しないで、無事に助かるんですね。

さっきまでのテロ規模の大きな戦いと解決から、打って変わって、とても小さな舞台となります。しかし、それが功を奏して、蘭とコナン(新一)の二人にスポットライトが当たって、最後は二人の話として見せ場が出来上がります。

ここまで大きな舞台設定とダイナミックな攻防を進めてきたのに、最後の最後に爆弾を止めるのは、ただの女子高生。この落差が良いのですな。別に、派手なアクションもいいんだけどさ、今作の終わり方は綺麗だよー。

スピード感の緩急、舞台設定の緩急が上手いし、見せ場はバッチリ見せてくれる。最後まで一気に見れる映画でした。

 

心理描写と伏線が効いている

さっきも書いたけど、後半の劇場版で当たり前になった【ダイナミックさ=激しすぎるアクション】では、見た目の面白さとは裏腹に、入り込め無いんですよね。飛行機操縦したり、ありえない勢いで廃墟から脱出したり、とか。そういうムチャが、今作ではあまり無いのが特徴的。

ただ、アクション的なダイナミックさが無い分、心理描写や伏線を上手に使ってハラハラさせることは、とてもうまく描かれています。

 

赤がラッキーカラー

新一への誕生日プレゼントのために、蘭は占いで書かれた「ラッキーカラーの赤」をベースにプレゼントを選びます。しかも、蘭が好きな色としても表現されて、最後の最後に「赤か青か」を選択する場面で、大きな意味を持つようになっていきます。犯人の森谷も、これを踏まえて赤をトラップとして設定してましたね。

ここに、蘭が新一と見ようとしてた映画のタイトル「赤い糸の伝説」が活きてきます。作中でもコナンが「うへ〜、少女趣味」と心の中で吐露していました。このカットが挟まったことで、蘭の好きな色の赤、ラッキーカラーの赤、プレゼントの赤という設定と、映画タイトルとしての「赤」は、少々立ち位置が違うものとして刷り込まれました。特に、コナン視点では。そのため、最後にコナンも「なんで赤いコードを切ったの?」と疑問に思うわけですね。

しかし蘭は、この「赤い糸の伝説」を大事にしていて、最後の舞台に入る直前にも映画看板を見上げている描写が、一瞬ですが入ります。これが、なんとも言えないワンカットですね。

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鉄道会社の人たちの描写

今作の途中、最初のピークとして描かれる東都環状線の爆破テロ。そこでの見せ場として、コナンや警察関係者じゃなく鉄道会社の方々が活躍する場面が描かれるんです。そこの様子が、リアルでいいんですよね。

特に、コナンが新一の声で電話をし、爆弾の設置された場所を特定した部分。映画を見ている観客視線では「なるほど!爆弾はそこか!【××の×】はそういう意味か!」と納得しているものの、当然ながら運転をしている人には、それが真実かどうか知る由もなくなので、時速60km以下に減速しても、本当に大丈夫なのか?という不安がなくなるわけじゃなく、そこもしっかり描写してます。ハンドルを握る手に、大多数の乗客の命がかかっている。まさしく手に汗握る、という場面をしっかり見せてくれるんですね。

そして、それが解決した後も、安心する警察とは裏腹に「まだ終わっていません」というスタンスの鉄道会社の姿勢。全ての車両の安全が確保されるまでは、安心ができるわけじゃない、と。何気ないようで、この部分を描くことがリアリティを表現して、物理的なダイナミックさは無くとも、心理的なダイナミックさを演出してくれるんですよねー。色々な人たちが、関係しあっている様子っていうんですかね。

 

サイコパスな犯人描写

今回の犯人は森谷帝二。自身の作った建築物はシンメトリーであるべきなのに、予算の問題や都市開発の問題で完全なシンメトリーにならなかった。だから爆破をする、というぶっ飛んだ設定。

いや、ぶっ飛んだ設定は毎回の劇場版の犯人の定番なんだけど、ここはぶっ飛んだ感じが中途半端な犯人だと消化不良なんですよね。逆に、普通の怨恨レベルになっちゃうと、映画のダイナミックさが急激に縮こまるので。

彼は、そういう意味ではちゃんとサイコパスだったのがいい。

若い建築家は美意識が足らない!と言うあたりも感情がこもった感じが出ているし、何気に「本名の漢字を貞治から帝二に変えた」っていう設定の時に、コナンも「もはや病気だな」と言っていた。今回の犯人像については、ここで全て説明がつくかもしれん。

で、最後の「赤と青のコード」を(赤を切るだろうと踏んだ上で)敢えてふっかけてきているところや、その上で「新一のために3分用意する」あたりも、行動がサイコパスっぽさを表現してくれていて、素晴らしいんですよね。一貫性がある。美学からくる怒りのエネルギーが、映画っぽいな〜と。

劇場版の犯人の印象としても、トップ3に入るくらいの印象でした。

 

 

原作と関わる大事な部分

新一の誕生日は5月4日

今回は、ストーリー的にも大事になる新一の誕生日。映画の、このエピソードが初出です。

 

白鳥刑事が初登場

今や原作でも普通に出ている白鳥刑事が、今作品で初登場!

劇場版ゲストとして登場してから、原作へ準レギュラー昇格したキャラクターですね。この第1作ではミスリード役として出ているんですが、正直なところ、そういう描写はあまり無くて、最後の小五郎の推理ミス対象者として浮かびあがるくらいですね。

 

毛利小五郎のキャラクター設定

これは個人的に気になる部分なので、敢えて取り上げたいと思います。毛利小五郎は「へっぽこ探偵」的な立ち位置で「ダメおやじ」と取り上げられつつも、実のところ超カッコイイ側面も持ち合わせていて、それが後の劇場版では割と出てきます。原作よりも頻繁かも?

 

今作では最後の場面です。見せ場ほどのものは無いのですが、蘭を人質にとられている状況での森谷の「安心しろ。あんたの娘が吹っ飛ぶまで15分もある。」と言う非情な言葉に、激昂して胸ぐらを掴むシーン。ここは声優の神谷さんの演技力もバッチリハマってて、なんだか"普段の小五郎とは明らかに違う"感じを受けます。

小五郎のカッコイイところは"ハードボイルド"なところなんですよね。ダメな時はめっぽうダメなのに、人情味が溢れる時に見せる"男気"みたいなところが、多分作中で一番似合うキャラだと思うんです。

 

 

 あとは、途中でコナンが病室で目を覚ました時に、阿笠博士に抑えられつつ

コナン

「・・・ここは?」

小五郎

「病院だっ!!!」

「コナンっ!一体どういうことなんだ!?」

「分かるように説明しろっ!!!」

と声を荒らげるんですが、その後のシーンで

コナン

「それと、あの自転車、ダメにしちゃったんで、おじさん、後で弁償してくれる?」

小五郎

「そんなことより!どうしてこんな無茶をしたんだ!?」

「もう少しでお前が死ぬとこだったんだぞ!」

コナン

「ごめんなさい」

 って言うところね。熱い小五郎の説教に愛を感じます。特に、初期はまだまだコナンのことを「居候」って紹介することも多くて、家族の一員にはなりきってないところがチラホラするものの。小五郎の良さは、また他の劇場版でも綴りたいですね。

 

 

恒例の青山原画

原作者の青山剛昌さんが手がけるワンシーン。通称"青山原画"。グッと見せる場面やストーリーの中で見せ場となるシーンに使われることが多いです。これも劇場版のコナンを見るときの楽しみのひとつ。

今回は二つ。

「死ぬときは一緒だぜ」

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今作の最も大きな見せ場ですね。

 

そして、全てが解決したあと、蘭がコナンのところへ向かうシーン。包帯を巻いたコナンが蘭を待ちます。

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ここも原作者の青山先生はこだわりのワンシーンだったそうですね。原作やアニメでは、怪我をしても次の回では治っていたり、さほど大きな怪我の描写にはならないようです。けど、最後の解決まで頑張ってきた様子の表れとして、包帯を巻いたシーンを原画で描かれたようです。確かに、壮大なストーリーが終わりを迎える感じがして、ホッとしますね。

 

 

社長令嬢誘拐事件(FILE.3〜FILE.5)

江戸川コナンとして最初の事件

「ジェットコースター殺人事件」から続いて、江戸川コナンとして最初の事件。

 

FILE.3 仲間はずれの名探偵

子どもになってしまった新一は、まだコナンとして振る舞うことができず。ついつい事情聴取や調査を"普通に"してしまってます。そういう意味では、この「社長令嬢誘拐事件」は、コナンとしてはまだプロローグ的な感じ。時間軸としても、「ジェットコースター殺人事件」の日の夜に立て続けに起こったものだしね。けど、それほどプロローグ的に語られないのは、本編に関わるような部分の表現が少ないからかな。

 

誘拐事件の方は難解なものじゃなく、コナンも何とか小五郎にヒントを与えて、このFILE.3の中で、家の執事さんが起こした誘拐ということが判明。無事に事件は解決した、はずだった。というところで、別の人間が起こした本当の誘拐に事件が発展するという展開。

 

FILE.4 6本目の煙突

執事さんじゃない、本当の誘拐犯からの身代金要求の電話。そこから分かることを推理して、誘拐された少女のいる場所を特定するという流れ。

ここも推理的な要素は数ページだけで終わります。コナンは犬に乗って(これって普通に考えたら変な描写ですよね)、ついに場所を特定。人質になった少女を発見し、そして犯人と対決。

コナン、ぼろ負け、大ピンチ。

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FILE.5 もう一人の犯人

ちなみに、この話の最初でも引き続き殴られ続けてます、コナン。大丈夫か?

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そんな大ピンチに…

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空手部主将、大活躍!!!

武器を持たない腕っぷしで言えば、作品内でトップクラスに強い蘭が、犯人をボッコボコにします。目がグルグルになってて、コメディっぽいのは初期の作風らしさですね。

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ということで、事件は解決。最初の誘拐も狂言誘拐だったとわかり、一件落着。

 

 

この「社長令嬢誘拐事件」は、やはりプロローグ的な要素が強いですね。小さくなった新一は、今までと同じように推理をしても、犯人を捕まえられない。コナンとして活躍するには、このままじゃいけない。ということを強く認識させる展開でした。

黒ずくめの男に関することや、主要キャラクターに関することが多くは描かれていないので、ついあっさりと終わった印象ですが、「新一からコナンへ」という視点で言うと大事なスタートでしたね。

 

 

 

 

 

 

ジェットコースター殺人事件(FILE.1〜FILE.2)

名探偵コナンはここから始まった

全てのスタート。毎年の映画のオープニングでも恒例の部分です。前半が殺人事件で、後半は「コナン」の誕生まで。

 

FILE.1 平成のホームズ

連載スタートから25年ほど経っている名探偵コナンの、記念すべき初回エピソードです。タイトルは、作中のセリフから。

 

新一

「オレは探偵を書きたいんじゃない・・・なりたいんだ!!

 平成のシャーロック・ホームズにな!!」

 

平成になって、もう30年近く経ちました。連載は平成6年スタート。長い歴史を感じる表現ですね。

最初の数ページのイントロダクション的な事件と、新一の自己紹介的な推理ショー。改めて見ると懐かしい。私がコナンを読み始めた頃、ちょうどアニメ化も同じタイミングでした。当時は小学生。楽しみに帰宅して、初回の放送を見たんですよね。好んで見ていた漫画がアニメ化されて動いてる!っていうのは、これが最初の経験だったかな〜。

この時点で目暮警部は名前も登場していたんですね。古参のキャラクターのひとりです。この時点で、新一には何度も協力してもらっているらしい。ちなみに、初めて目暮警部の操作を手助けしたのは一年前のこと。(コミック21巻)

小五郎のおっちゃんは顔だけ登場、名前はFILE.2で初出。FILE.2に出てくる様子も含めて、ダメな大人っぷりが発揮されていますね〜この頃は。

当然、黒ずくめの男たちも初登場。ジンとウォッカ。名前はまだ無い。特にジンのキャラクターがまだ完成しておらず、言葉づかいや態度が不思議ですね(笑)オロオロしているのが、明らかに設定不足で変な感じ。


そもそも、ジンとウォッカの2人がジェットコースターに乗っているってのもね。まあ、拳銃の密輸取引のゆすりのために呼んでいた社長が、1人で来ているかどうかを確認するため、だったそうですが。わざわざ。

そして、ジン達と取り引きをしていた相手の社長さん。組織のやっていることも知っているのに、普通に逃げている様子が描かれている。組織の対処としてはダメなパターンですが、これは原作当初ということで、あまり気にしない方がいいですね。新一に毒をもった後に、追って始末したということとします。

 

 

さて、最後のページで新一は幼児化します。この漫画の根幹とも言える部分ですね。

まだ詳細が明らかになっていない「組織が新開発した毒薬」ですが、ひとまず気になる点は

 

  • 死体から毒薬が検出されない。完全犯罪が可能なシロモノ。
  • 体が熱い。骨が溶けているみたい。

 


死体から毒薬の検出がないと書いているあたり、そもそもは「殺人」を目的としたものとして認知されている様子。

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新一が幼児化したのは、果たして運が良かったからなのか、それとも何か他の原因が重なって、新一は死なずに幼児化したのか。

この薬の「本当の目的は何なのか?」というのも、大きなテーマのひとつ。


また、体が熱いという表現も、今後も共通して描かれている部分です。煙が上がりながら、体が小さくなっていく。または、解毒剤を用いて、大きくなっていく。その時は、同じように表現されています。これも何かしら意味があるのかと思います。

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あくまで化学反応的なことが起こって、体の中の細胞やら何やらが変化していくのだと思うのですが。ただ、先述した通り「殺人」を念頭においているならば、ある環境下においてなら「反応して」幼児化し、環境が揃わない場合は「反応しない」で毒薬となるのかもしれません。

 


FILE.2 小さくなった名探偵

 

小さくなった新一の最初の理解者、阿笠博士が登場。ちなみに、本名が阿笠博士(あがさひろし)ですが、今後は呼び方は「博士(はかせ)」が定着しています。ややこしいな〜。このブログの文面でも、「阿笠博士」と書いて、「あがさはかせ」と読みます。
どっちでもいいか。


さて、ついに江戸川コナンという名前がつきます。もはや、国民的コミックと言っていいほどの作品になり慣れましたが、やはり変な名前ですよね(笑)

 

阿笠博士の提案により、コナンは毛利家での居候生活へ入ります。これで名探偵コナンの舞台設定のチュートリアルが終わりました。

この初期に、蘭はコナンの姿をした新一に心の内を告白しちゃってましたね。これから長い長い時間をかけて、読者がモヤモヤしていくのですが(笑)連載当初は、もっと続かない想定だったそうなので、短期の連載だったら、この告白の答えは早々に聞けたかもしれないのに。


あと、何気に気にすべきなのは年齢などの時間軸が分かる表現。

  • 阿笠博士は52歳。
  • 新一の両親は三年前からアメリカに住んでいて、新一は一人暮らし


あ、FILE.1で新一が日付の入った新聞を読んでますが、この日付についてはスルーで。多分、サンデーの本誌に載った頃の日付です。あまり絡んでこないでしょうね。平成6年とか描かれてますし。

 


あと、さりげない小ネタ。

工藤邸の本棚には「まじっく快斗」のコミックスが紛れています。

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後々出てくるキッド達との関係の伏線ってことはなく、たぶん遊び心的なものでしょうね。